トランプ米大統領は8日、英国と二国間貿易協定を結ぶことで合意したと発表した。輸入する英国製自動車に低関税枠を設けて優遇するかわりに、米国産の農産物などの対英輸出の拡大に道筋をつけた。トランプ政権は日本を含む主要貿易相手と関税をめぐる通商協議を続けており、合意に達したのは初めて。
記者会見したトランプ氏は「長年まとめられなかった取引を、我々は成し遂げた」と誇った。スターマー英首相はトランプ氏と電話する様子を記者団に公開し、「両国間の貿易を促進するものだ」と述べて合意を称賛した。
トランプ政権は現在、日本を含む主要貿易相手と関税協議のまっただ中だ。英国との間で成立した今回の合意内容は、多くの国にとって一定の参考になりそうだ。ただ、米国は昨年、英国に対して114億ドルの貿易黒字を計上しており、比較的合意しやすい相手でもあった。
今回の合意で、米国が輸入車にかけている計27.5%の関税については、英国車に限って年10万台の輸入まで税率を10%とする低関税枠を新設した。10万台というのは、昨年英国が米国に輸出した台数にほぼ重なるという。
英国は高級車ブランド、ジャ…